CINEMA草紙

ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ等々、中南米カリブのラテン映画・音楽・カルチャーを紹介するニッチなブログです!

スケールの大きい戦争映画『マイウェイ 12,000キロの真実』(チャン・ドンゴン&オダギリジョー主演)を大スクリーンで堪能しました!  

☆1928年、日本占領下の朝鮮。軍人の祖父を慕う日本人少年・辰雄は、使用人の息子ジュンシクと、足の速さで競いあいながら成長する。
一方、朝鮮人は不当な扱いを強いられる占領下社会に不満を募らせていた。ある日、辰雄の祖父が贈り物に仕掛けられた爆弾で命を落とした。ジュンシクの父親は犯人と疑われ拷問を受ける。
数年後、二人はマラソンのオリンピック選考会で再会するが、ジュンシクが優勝したにも関わらず、差別的な判定で失格となってしまう。
1939年、暴動に巻き込まれた後、強制的に日本兵としてノモンハンに駐留していたジュンシクの前に、大佐となった辰雄が現れる。

ノモンハンでは日本兵として、シベリア収容所では捕虜として、さらにロシア兵→ドイツ兵として闘うことを強いられた日本人&韓国人の数奇な運命をドラマチックに描いたスケールの大きな戦争スペクタクル映画である。
「子供の頃は親友だった二人が、大人社会に翻弄され…」(『マチュカ』『君のためなら千回でも』等々)といった友情ドラマは数多く見てきたが、この映画は予想に反し、幼少期に友情を育むシーンは皆無。最初から二人は敵対心むき出しで、常にライバル関係にある。
韓国映画ということもあって、日本兵の描き方もかなり厳しいので、序盤は、日本人にとってはちょっと痛い内容だ。(サイテー男の日本兵を山本太郎が好演)。
辰雄とジュンシクは、常に意識し合いながらも、お互い心を開かず、真っ向から対立する。「このまま、反目しあったままエンディング?」と、絶望的な気持ちになったぐらい。
一方で、それが逆にリアルにも感じられた。

そもそも、占領する側とされる側で、そう簡単に心を通わせられる訳はないのだ。
日本人はつい自分たちの過去の行いに目を背けたくなるものだが、戦時中、ガチガチの軍国教育を受けた日本人が、いかに非人間的だったかは、十分想像できる。
韓国人の目から描いたノモンハンやシベリアものを初めて見たので、より新鮮に感じることができた。

激しい戦闘シーンは圧巻。さすがは『シュリ』のカン・ジェギュ監督です。
ノモンハン、シベリア、そしてノルマンディー。戦っている人種も場所も違うのだが、どこの戦場も同じに見えてくる。そこでは、心を失くした人間が、殺人マシンとなって殺し合うだけ。
また戦争シーンかよ…、と、うんざりしながらも、それこそが監督の狙いなのだ、と確信。この、戦争シーンの連続には、明確な反戦のメッセージが感じられた。

「仮面ライダー」以降、アクションとはほぼ無縁だった(?)オダギリジョーだが、この映画ではアンチヒーローとして熱演。鬼の大佐役が恐ろしいぐらい様になっていて、思わず嫌いになるほど。さすが役者です!

対するドンゴンは、もちろんいつでもヒーロー。友情に厚くて信念を曲げない、ある意味非現実的なキャラなのだが、それもドンゴンだから許されてしまう。
ラテンにはまっている間にすっかり韓国映画に疎くなっていたのだが、ドンゴンのスター性や、スケールの大きなエンタメ超大作のクオリティは、いまだに衰えていないことがうれしかった。
残酷なシーンや人間の怖さ、弱さがむき出しになる作品で、見やすい映画ではないが、映画館でぜひ見ていただきたい1本です。

マイウェイ 12,000キロの真実 MY WAY 
カン・ジェギュ監督、チャン・ドンゴン、オダギリジョー、ファン・ビンビン、山本太郎出演
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Posted on 2012/02/04 Sat. 00:00 [edit]

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