CINEMA草紙

ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ等々、中南米カリブのラテン映画・音楽・カルチャーを紹介するニッチなブログです!

東京国際映画祭でみたブラジル映画「ヴィック・ムニーズ/ごみアートの奇跡」レビュー  

☆現代アート界の旗手ヴィック・ムニーズは、故郷のブラジルで、大量のゴミ処理場からリサイクル品の回収をしている人々(カタドール)を取材し、彼らのポートレートをリサイクル品で表現するアートの制作に取り掛かる。
様々な事情を抱えたカタドールの本音に迫り、彼らのプライドが復活するまでが描かれた感動のドキュメンタリー。
ブラジルは世界一のリサイクル率を誇っている。だが、それは国民のリサイクル意識が高い、ということではない。町にはゴミがあふれているし、裕福な人、高い教育を受けた人たちでも、町中にゴミを捨てるのが当たり前の社会だ。
世界一のリサイクル率は、町にあふれたゴミから、リサイクル品を集める人々の存在が大きいのだ。
日が暮れると、店や家々から捨てられたゴミから、空きビン、空き缶、ペットボトル、段ボールなどを集めるカタドールがどこからともなく現われ、ゴミあさりをを始める。
野外ライブの会場や、サッカー場、カーニバル会場では、熱狂する観客の間を縫いながら、カタドールたちが黙々と空き缶集めをしている姿をよく目にした。

また、大量にリサイクル品を積んだ軽トラックの上で子供が待ち構え、父親の投げる段ボールを受け取る姿や、集めた缶を効率よく運ぶため、バス停につぶした缶を置いて、バスに踏んでもらっているカタドールを見かけたこともある。
さまざまな工夫をしながら、生活のためにリサイクル品を集める人々。ブラジルに2年いて、彼らの姿を見ない日は1日たりともなかったのである。
彼らはプロとしての自覚を持つ一方で、人から蔑まれているゴミ集めの仕事にコンプレックスも抱いている。
ビックのゴミ・アートに関わることで、生きる希望やあたらしい自分を見つけた彼らの姿は、本当に生き生きとしていたし、完成に喜ぶ様子から、彼らの今までの苦しみを感じとることができた。
ビックと一緒にアートのオークションに行き、聞いたこともないような金額で、自分たちが作ったアートが売れたことに驚く若いカタドール。
ビックの手伝いをしてしまったことで、「もうリサイクル品集めの生活には戻りたくないの」と、泣きじゃくるカタドール…。
新しい価値観を見つけたカタドールたちの姿が目に焼きついた。

ブラジルはすばらしい国ではあるが、街中で平気でゴミを捨てる習慣だけはイタダケナイ、といつも感じていた。きちんと分別してゴミを捨てれば、カタドールも集めやすいと思うんだけどなあ。
そんなこんなを考えさせてくれる極上のドキュメンタリーでした。

ヴィック・ムニーズ/ごみアートの奇跡 Waste Land
ルーシー・ウォーカー監督、フェルナンド・メイレレスほか製作総指揮、ヴィック・ムニーズ出演
スポンサーサイト

Posted on 2010/11/01 Mon. 11:12 [edit]

category: 映画賞・映画祭

thread: 映画祭 - janre: 映画

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://bossacine.blog59.fc2.com/tb.php/584-ada2fc8e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

TWITTER

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

アーカイブ

カテゴリ

リンク

RSSリンクの表示


▲Page top