CINEMA草紙

ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ等々、中南米カリブのラテン映画・音楽・カルチャーを紹介するニッチなブログです!

ホステージ・オブ・エネミーライン  

数少ないラテンアメリカ映画をDVDで手当たり次第にチェック中に出会ったのが、リリースされたばかりの「ホステージ・オブ・エネミーライン LA MILAGROSA」。
南米アクション映画にありがちな荒削りな何でもありエンタメ映画かと思ったら意外や意外。骨太の社会派映画でした。

☆政府軍対ゲリラ革命軍の紛争が長引くコロンビアで、資本家の息子エドワルドが誘拐された。何不自由なく暮らしてきたエドワルドは、突然、山奥での過酷な生活を強いられる。一方、革命軍側には、子供の頃、父親を政府軍に殺され、革命軍のボスに助けられた姉弟がいた。捕虜の世話係の姉マイラとエドワルドは、言葉をかわすうちに、徐々に交流を深めていく。
コロンビアで、実際にあった誘拐事件を基に描かれた骨太の社会派映画である。
ゲリラたちの過酷で緊迫した生活は、ソダーバーグの「チェ 2部作」にも匹敵するリアルさで描かれていて、見応えがあった。
DVDの宣伝文句やパッケージは「激しい戦場アクション」を強調していたが、これは単純なアクション映画ではない。誘拐された青年の戸惑いと苦しみ、そして心の変遷も丁寧に描かれているし、ゲリラ側の本音にも耳を傾けている。

コロンビアでは、実際にこういった誘拐事件が多発していて、いまだに解放されない人が大勢いる。一昨年も、白人女性が数年ぶりにゲリラから解放されたことが大々的にニュースになったばかりである。
そんなゲリラ軍は、コロンビア社会の腐敗の副産物でもある。
もし、日本もこのまま格差社会が進み、社会が混とんとし、貧困層の不満が爆発すれば、コロンビア社会のようにゲリラ革命軍が生まれることだってあり得るかも。こんなこと言うと、笑われるのは百も承知だ。日本に住んでいれば、確かに現実味のない話だろう。でも、南米に暮らす人々は、日本人とまったく違った価値観を持っているわけではなく、豊かで安全な普通の暮らしを望んでいるだけなのだ。
コロンビアと今の日本。一見、あまりにも違う社会ではあるのだが、「あり得ない」なんてことは何一つない。日本での生活が世界基準でないことは、南米に暮らして思い知らされた。

主演を演じたアントニオ・メラーノが、プロデュースと原案も兼ねているとのこと。志を持った若きラテン映画人の今後の活躍に大いに期待したい。

ホステージ・オブ・エネミーライン LA MILAGROSA(2008年・コロンビア)
ラファエル・ララ監督、アントニオ・メラーノ、ギレルモ・イヴァン、モニカ・ゴメス出演
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Posted on 2010/04/04 Sun. 15:53 [edit]

category: ラテン映画

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