CINEMA草紙

ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ等々、中南米カリブのラテン映画・音楽・カルチャーを紹介するニッチなブログです!

マラドーナ&クストリッツア  

待ちに待ったクストリッツア最新作「マラドーナ」がついに日本で公開になりました!
クストリッツア映画好きと、サッカー好きの人で、平日だというのにほぼ満席。さすがは英雄マラドーナ!
2年間待ち焦がれた夢の競演作を前に、私は見る前から、すでに興奮状態…。

無類のサッカー好きで知られるクストリッツア監督が、アルゼンチンの英雄ディエゴ・マラドーナの真の姿に迫ったこの作品は、監督へのマラドーナへの思いがぎっしり詰まっている。過去の輝かしいドリブル&シュート・シーン、英米を厳しく批判し、カストロやチェ・ゲバラを礼讃する攻撃的なマラドーナ、コカイン中毒で醜く太ったマラドーナ、家族を悲しませたことを悔恨するマラドーナ…。
さまざまな顔を持つマラドーナの姿が、何度も何度も繰り返し映し出される。

英米中心の帝国主義をちゃかしたようなクストリッツアらしい皮肉たっぷりのユーモアも盛り込まれているので、マラドーナの過激発言もどこか劇画っぽく、笑いを誘う。
イギリスもアメリカも、FIFAのお偉いさんも、マラドーナにかかったらすべてがクソ野郎。庶民の味方、「反権力」こそがマラドーナ!
それは、アルゼンチン国民、いや世界中のマラドーナ・ファンが望む姿であり、彼は“マラドーナ”というアイコンを自分自身で作りあげ、それを演じているのだ。

一方、コカイン中毒でボロボロになったマラドーナもまた真の姿だ。「娘が成長している貴重な時間に、自分はラリっていた」と、過去の過ちを素直に認め、ドラッグにおぼれたことを延々と後悔する。そんな情けないけど素直なマラドーナをみると、ヤンチャ坊主の失敗をつい許す気になってしまう。すべてにつけてお騒がせ男。完璧からはほど遠いからこそ、人は彼を憎めない。そこが彼の魅力なのだ。
意外だったのは、彼の妻の発言である。あれだけのスターなので、何度も妻を変えているのかと思っていたら、意外や意外。最初の妻クラウディア(正式には元妻)が、今でもマラドーナの側にしっかりと寄り添っているのだ。彼女は、破天荒なマラドーナの最愛の信奉者であり、何があっても彼を見捨てない強さを持っている。
クストリッツアの問いに「苦難を乗り切ったのは自分」と言いきった彼女の発言は、いかにマラドーナと共に生きることが大変だったかを物語っている。

(タイガー・ウッズの妻も、クラウディアのようであったなら…。
金目当ての自称愛人どもも、この映画見ろーっ! 
そんな女たちを好むウッズにも責任はあるけど、選ばれし天才の私生活に、品行方正を望むこと自体が陳腐…)

などなど、この映画を見ている最中は、様々なことに考えが及び、脳みそフル回転の興奮状態に陥ったが、もっとも印象に残ったシーンは、ベオグラードの名門チーム、レッドスターの本拠地で、マラドーナとクストリッツア監督がパスをするシーン。
サッカー少年に戻って球蹴りを楽しむオッサン二人の少年のような無邪気さがたまらなくキュートで、やっぱりこの二人のファンは辞められないわ~と再確認した。

この映画の直後、マラドーナが代表監督になり、来年はいよいよワールドカップ本戦。
何か、大きなことをやらかしてくれろうな予感でワクワクである。
マラドーナのその後を追った第2弾が作られると信じたい!
あまりに思い入れが強すぎ、とっちらかり気味のレビューになってしまいましたが、とにかく楽しいから、見てみて下さい!!

最後にもう一言:マラドーナを神と崇める「マラドーナ教」とその信者たちには爆笑。洗礼は神の手ゴーーーール!!
先日のアンリの“疑惑の手”ゴールとは格が違いますヨ!


マラドーナ MARADONA BY KUSTURICA
エミール・クストリッツァ監督、ディエゴ・マラドーナ出演
スポンサーサイト

Posted on 2009/12/23 Wed. 14:23 [edit]

category: 映画レビュー

thread: ミニシアター系 - janre: 映画

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://bossacine.blog59.fc2.com/tb.php/522-5bbb0248
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

TWITTER

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

アーカイブ

カテゴリ

リンク

RSSリンクの表示


▲Page top