CINEMA草紙

ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ等々、中南米カリブのラテン映画・音楽・カルチャーを紹介するニッチなブログです!

SOUL RED 松田優作  

縁があって、かつて4年間住んでいた家に、今、移り住んでいる。
この家に住んでいたのはもう何年も前のことで、頭の隅に追いやられた記憶も多い。なぜここに住むようになったのかさえ忘れていたぐらいである。
でも、住み始めると少しずつ記憶が戻ってきた。
昔、流行っていたTVドラマ、好きだった音楽、自分が抱いていた夢。
そして、かつて出会った人々etc...。
そんなこの家で過ごした4年間の思い出の一つに「松田優作」もいる。
彼の死を知ったのは、朝のニュースだった。
いつものようにバタバタと朝支度をしていたとき、テレビを見ていた友人が「松田優作が死んだって」と、私に伝えてきた。
優作にとくに思い入れのない友人は、ただ、テレビで流れたニュースを情報として私に伝えただけだったが、私は「何いってんの?死ぬわけないじゃない。別人だよっ」と、腹を立て、すぐには信じることができなかった。
それほどまでに彼の死は衝撃だった。
ちょうど「ブラック・レイン」で優作の狂気の演技を見たばかりで、まだ、その感動と興奮の最中にあったのだから…。
 死の直後は、優作の特集雑誌を買いあさり、記事を切り抜き、スクラップにした記憶がある。
 そして20年。あの衝撃を味わった家に戻った今、優作のドキュメンタリーが公開されたのである。
 正直、もうあの頃の情熱は残っていないし、優作の映画やドラマも私にとってはすっかり過去のものであった。でも、映画のスクリーンに映し出された優作の姿を見、声を聞いた途端、すぐに20年前、30年前の自分に戻ることができた。
 夢中になったTVドラマ「探偵物語」の製作の際、「テレビではハードボイルドは受けない。ユーモアがないとだめだ」と、優作がいったという話、「ア・ホーマンス」で監督をすることになったいきさつ、「役者にとって、走る姿、ピストルを構える姿がかっこいいっていうのは大事だよ」と後輩の役者に話したことなどなど、すべての言動に「優作らしいな」と感じ、「やっぱり最高」と、ファンだったあの頃の気持ちに戻って無我夢中で画面に見入ってしまった。
 優作と一緒に仕事をしてきたスタッフの話も興味深かったが、香川照之、仲村トオル、浅野忠信、3人の俳優が優作を敬愛し、彼について熱く語る様子がもっとも印象的で、優作ファン同士の絆を勝手に感じて、ほくそ笑んでしまった。
 どうしてもファンの目線になってしまい、映画に対して客観的判断はできないのだが、おそらく優作を知らない若者でも、スクリーンの中の優作の姿、言動に少なからずインスパイアーされるはずだ。草食系なんて言われてることに少しでも抵抗がある人なら、優作の魅力にきっと気づいてくれるだろう。スクリーンの中の優作は、いつまでも色あせることなくセクシーで、ワイルドで、理知的で、やさしくて、映画に対する情熱でムンムンしている。
家宝にしたいドキュメンタリーを作ってくれたスタッフ&優作ファミリーに「ありがとう」と言いたい。

SOUL RED 松田優作
御法川修監督、松田優作、浅野忠信、香川照之、仲村トオル、松田龍平、松田翔太ほか出演
スポンサーサイト

Posted on 2009/11/16 Mon. 19:11 [edit]

category: 映画レビュー

thread: 映画レビュー - janre: 映画

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://bossacine.blog59.fc2.com/tb.php/514-775df03e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

TWITTER

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

アーカイブ

カテゴリ

リンク

RSSリンクの表示


▲Page top