CINEMA草紙

ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ等々、中南米カリブのラテン映画・音楽・カルチャーを紹介するニッチなブログです!

未亡人ドナ・フロールの理想的再婚生活  

☆バイーアに住むフロールは、女たらしの道楽男ヴァヂーニョと結婚。遊び歩いて家に寄り付かない夫へ不満を持ちながらも、楽しく暮らしていた。
ところが、カーニバルの日、その夫が急死した。フロールは、ヴァヂーニョと暮らした日々を思い出しながらも、夫と正反対の生真面目なドクターと再婚する。
几帳面で面白みのないドクターとの結婚生活は、それなりに安泰だったが、ある日、ヴァヂーニョの幽霊が現れ…。
元伴侶の幽霊が出現し、夫婦生活をかき乱す、というストーリーは、どこにでもあるコメディの定番だが、この映画の一番の魅力は、ブラジル人らしい元夫ヴァヂーニョの底抜けの明るさ。酒とギャンブルと女に目がない遊び人の気質のヴァヂーニョは、夫にしたら苦労が多いタイプではあるが、なんとも憎めない魅力がある。
フロールは、遊び人の前夫に懲りて、正反対の男と再婚するのだが、やはりそこはバイーア女。クソ真面目な男には満足できず、心のどこかでは、快楽を求めているのだ。

サリー・フィールド、ジェームズ・カーンの「キスミー・グッバイ」は、この映画のリメイクということを、見た後で知ったが、設定ばずい分と違う。
片やニューヨークのショウビズ界という、いわゆる洗練された大人の社会。
こちらは、強い日差しが照りつけるバイーアの、陽気でゆるーい社会である。
フロールは、前夫の幽霊の出現に戸惑っているような素振りも見せるが、サリー・フィールドよりも揺れてはいないし、今の夫に対する後ろめたさも感じられない。
その辺が、バイーアらしい。良くいえばおおらか、悪く言えば、適当、いい加減。
日本の映画やドラマなら、妻は、多少退屈でも、そこそこ平穏な暮らしを選ぶだろうが、バイーア女は快楽主義なので、そんな野暮なことはいわない。
このまま幸せに3人で暮らしたっていいじゃない、という訳だ。
全裸の幽霊ヴァヂーニョと、生真面目なドクターを両脇に、バイーアの石畳を歩きながら、遠ざかっていくエンディングは秀逸だ。
ブラジル東北部らしい照りつける太陽、怠惰な雰囲気、そしていい加減な気質が絶妙にミックスされた、おススメのブラジル映画です。

もう一言;
このエンディング、何かに似ている、と思ったらキム・ギドクの「うつせみ」でした(テイストはまったく違いますが)。
主演のソニア・ブラガは、現在、アメリカに拠点を移し、[sex and the city]や[CSI]にゲスト出演しています。秀作「蜘蛛女のキス」の蜘蛛女役も彼女だったそうで。

未亡人ドナ・フロールの理想的再婚生活 
Dona Flor e Seus Dois Maridos (1976年・ブラジル)
Bruno Barreto監督、Jorge Amado原作、Sonia Braga、Jose Wilker、Mauro Mendonca出演
スポンサーサイト

Posted on 2008/03/25 Tue. 08:22 [edit]

category: ブラジル映画

thread: 映画レビュー - janre: 映画

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://bossacine.blog59.fc2.com/tb.php/37-d70010b3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

TWITTER

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

アーカイブ

カテゴリ

リンク

RSSリンクの表示


▲Page top