CINEMA草紙

ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ等々、中南米カリブのラテン映画・音楽・カルチャーを紹介するニッチなブログです!

「セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター O Sal da Terra」レビュー。サルガドの作品の数々、ブラジルでの生い立ち等々、サルガド初心者にとって発見の多い作品でした。川崎チネチッタは穴場です!  


☆ブラジルのミナス・ジェライス州出身の写真家Sebastião Salgado セバスチャン・サルガドの作品と半生に迫ったドキュメンタリー「セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター」を観に行った。

監督がヴィム・ヴェンダースということもあり、随分前から映画祭等でも話題になっていたので、待ちに待った日本公開だ。
渋谷ル・シネマは連日満員のようだが、川崎チネチッタでも上映している。穴場のようでほとんど観客のいない会場でゆったりと、サルガドの作品の数々を鑑賞することができた。

サルガドは、写真界では超のつく巨匠かもしれないが、彼がブラジル出身というのは、さほどフィーチャーされていない感じがする。
このドキュメンタリーでは、彼の作品だけでなく、生い立ちや家族にも迫っている。
サルガドの父が暮らすミナスの農場は、見るからに乾いた土地。老いた父が「土地が乾燥してしまい、作物が取れなくなっている」と嘆く姿が印象的だ。
妻と軍事政権を逃れてフランスに渡ったこと、次男がダウン症だったこと、大学では経済を専攻していたこと等々、彼が写真家となるまでの歴史も描かれている。
今までのヴィム・ヴェンダース作品に比べて、アート志向でないのは、サルガドの息子ジュリアーノが共同監督なのも影響しているのかもしれない。

サルガドの作品を目にしたのは、今回の映画がほぼ初めてということもあり、その作品の迫力と美しさに、終始圧倒されっぱなしだった。
とくに、アフリカの「死にゆく人々」を被写体にした作品「Sahel サヘル」は、衝撃的で胸が締め付けられた。
そんなインパクトの強い作品で名声を得た後、サルガド自身も彼らの苦悩を背負い、心に深い傷を負ってブラジルへ帰郷する。
穏やかな心を取り戻したサルガドは、故郷で森林を再生する環境保護活動を始める。
さらに、2004年からは、地球をモチーフにしたプロジェクト「GENESIS ジェネシス」に取り組み、自然美を追求する作品を次々に生み出していく。
この「ジェネシス」は、白熊や、クジラ、ペンギンといった動物たちの生活を切り取ったアート性の強い作品で、見ている私自身も平静を取り戻し、爽快感を覚えることができた。
さらにサルガドはアマゾンの先住民たちにも密着。彼らの狩りの様子や儀式にも迫っていく。

サルガドの作品からは、アート的なこだわりの強さを感じたのだが、映画の中のサルガド本人はいたってシンプルで、さほど個性も強くないのが意外だった。田舎で暮らすサルガドの父のほうがキャラが強くて印象に残ったぐらい。そんなニュートラルなサルガドだからこそ、報道から自然の世界へ、シフトすることができたのかもしれない。

サルガドが作品について語っているブラジルのTV番組は以下で視聴できます。
司会者のほうがよっぽど個性的なのが笑えます。
ブラジルのTV番組

セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター O Sal da Terra
ヴィム・ヴェンダース監督、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド共同監督、セバスチャン・サルガド出演

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Posted on 2015/08/06 Thu. 11:00 [edit]

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