CINEMA草紙

ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ等々、中南米カリブのラテン映画・音楽・カルチャーを紹介するニッチなブログです!

キューバ映画『バスを待ちながら LISTA DE ESPERA』は三谷監督もびっくり?!のケッサク群像コメディです!  

先日行われたセルバンテスでのキューバ映画上映会には、新旧取り混ぜた様々なタイプの映画が上映されたが、中でも一番のヒットはフアン・カルロス・タビオ監督が2000年に製作した『バスを待ちながら LISTA DE ESPERA』。
三谷監督もびっくり!?の傑作コメディです。

バスを待ちながら LISTA DE ESPERA ★★ (2000年)
フアン・カルロス・タビオ監督、ウラジミール・クルス、タイミ・アルバリノ、ホルヘ・ペルゴリア出演

☆田舎町のバスターミナルでは、大勢の人がバスを待っている。「最後の人は?(ウルティモ?)」と聞いて待つのが、彼らのマナーだ。
農村へ向かうバスに乗るためターミナルにやってきたエミリオは、スペインで暮らす彼に会うためハバナ空港へ行きたいジャクリーネと出くわす。
バスの故障で、何日も足止めを食らっている人々は、イライラを募らせていたが、そんな時、盲目の男が現れた。ジャクリーネは、彼のために「順番を譲ってあげて」と、頼むが、みんな様々な理由をつけて断る。
思いあまったエミリオが「バスをみんなで修理しよう」と言い出した。

バスを待つ人々の間に巻き起こる様々なドラマをコミカルに描いた一幕物の群像劇。
まるで舞台を見ているかのような、よくこなれたシナリオで、お見事!
一時も飽きさせず、また、バスを待つ人々のキャラクター設定も絶妙だ。
仕切り屋の女性は、お腹をすかせた人のために、食べれるハーブを探し、怠け者の男二人は釣りをする。ずる賢いデブ男は、一人隠れて缶詰を食べてしまい、盲目だと思っていた男も実は…。日本でいえば、“三谷コメディ”の世界そのもの。
コメディとしての質の高さに加えて、不便な生活を強いられるキューバのお国事情も絡んでくる。
いつまでたってもやってこない長距離バス…。
やっと来た!と思ったら、定員はたったの1名だったり…。
さらに、壊れたバスを修理するプロも部品も見つからない…。
タクシーはあるけど、当然、庶民一人で払える代金ではないので、バスを待たねばならない…。
そこで、人の善意を悪用しようとする人が出てくる…。

1度だけキューバに行ったことがあるが、観光客向けの大衆ホテルでさえ、エレベーターが壊れてしまい、滞在中ずっと階段で上り下りをしていたことや、あちこち雨漏りのする巨大な映画館や、椅子が道路にくっつきそうなクラシックなアメ車など、日本ではお目にかかれないハプニングの数々を思い出し、懐かしさを覚えた。
キューバ旅日記

バスを待つことに疲れた人々が、協力しあって、理想郷のような駅を作り上げていく、という展開も面白いのだが、さらにそれには裏があり…、という理想と現実の見せ方も絶妙で、お上手!!
この映画の監督、フアン・カルロス・タビオはアレア監督と共に『苺とチョコレート』を監督したのだが、その主演の二人、クルスとペルゴリアがまったく違うタイプの役を演じているのも見ものである。
(クルス演じるエミリオが、「『苺とチョコレート』では○○だった…」、という台詞をはくサービスもあり)
映画のエンディングには、「アレア監督(Titon)に捧げる」、という一文も出てきて、感慨深い。
数少ないキューバ映画鑑賞歴の中では、1、2を争う大当たりの傑作コメディだ。
なかなか日本で見る機会は少ないとは思いますが、ぜひオススメしたいキューバ映画の1本です!


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Posted on 2012/05/23 Wed. 00:00 [edit]

category: ラテン映画

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キューバ映画上映会[『キューバの恋人』(5/26)、『アキラの恋人』(6/9)]@立教大学  

5月26日(土)と6月9日(土)、立教大学でキューバ映画の上映会が開催されます。
5月26日(土)は、昨年のラテンビート映画祭でリバイバル上映され、好評を博した黒木和雄監督の名作『キューバの恋人』。
6月9日(土)には、『キューバの恋人』撮影当時のスタッフへのインタビューを通して60年代の日本・キューバの関係に迫ったドキュメンタリー『アキラの恋人 La novia de Akira』が上映されます。
上映後には、キューバ映画通のスペシャリストお二人の対談も予定されています!

時間:17時から
場所:立教大学池袋キャンパス14 号館D301 教室
入場無料・先着順

詳細は右リンク内「MARYSOLのキューバ映画修行」さんのブログから⇒⇒⇒

Posted on 2012/05/21 Mon. 21:45 [edit]

category: ラテン映画

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ボサノバの大御所R・メネスカル&L・ピニェイロ来日公演決定!7月17日(火)@川口  

トム・ジョビンらとともにボサノバを支えた大御所作曲家ホベルト・メネスカルが、歌姫レイラ・ピニェイロとともに来日します!
ホベルト・メネスカルのインタビューとプロフィールはこちら

大人の魅力たっぷりのレイラの歌もいいですよ~。
サンパウロでのライブレポートはこちら

そして、前座には、日本とブラジルで活動しているボサノバ歌手、臼田道成が登場!

“ホンモノ”のボサノバをたっぷり堪能できること間違いなし!の豪華な競演に、今からワクワクしております~

[Bossa Nova from Rio]
ホベルト・メネスカルRoberto Menescal、レイラ・ピニェイロLeila Pinheiro
臼田道成&Argonautas
7月17日(火) 18:30開演 4500円
川口リリア4階 音楽ホール
チケットはこちらから

Posted on 2012/05/19 Sat. 11:05 [edit]

category: 音楽

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ブラジル日系移民の負の歴史を描いた映画『汚れた心 Corações Sujos』(伊原剛志ほか出演)、7月21日~ユーロスペースほかで公開決定!  

戦後、ブラジル日系移民の間で起こった「勝ち組」「負け組」の確執(臣道連盟事件)に迫ったFernando Moraisのベストセラー小説「Corações Sujos」を映画化した『汚れた心』の日本公開が決定しました!
7月21日から渋谷・ユーロスペースほかで順次公開されます。
貴重な日本&ブラジル共作をお見逃しなく!
出演は、伊原剛志、常盤貴子、奥田瑛二、余貴美子ほか。
監督はブラジルの若手監督ビセンチ・アモリン(Vicente Amorim)です!

Posted on 2012/05/17 Thu. 00:00 [edit]

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ブラジル発のエシカルシューズブランド「ジンガ」が5/12に映画『それでも生きる子供たちへ』鑑賞会を開催!  

世界フェアトレードDAYの5月12日、ブラジル発のエシカルシューズブランド「ジンガ」主催の映画鑑賞会&ワークショップが開かれます。
クストリッツア監督やブラジルの女性監督カティア・ルンドも参加している『それでも生きる子供たちへ』を見て、世界の子供たちの今を考えるイベントです。

場所:二子玉川・カタリストBA
時間:13:00~18:00
参加費:3000円(ただしシューズ購入の場合はプラス9800円)
詳細及び申し込みはこちらから

その他、5月12日には、フェアトレード関連イベントが各地で開かれます。
詳細はこちら

Posted on 2012/05/06 Sun. 00:00 [edit]

category: 映画情報

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