CINEMA草紙

ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ等々、中南米カリブのラテン映画・音楽・カルチャーを紹介するニッチなブログです!

ラテンビート映画祭、『THE LAST CIRCUS』レビュー  

☆ハビエルは、サーカスの人気者だった父親に憧れ道化師になったが、サーカス団では冴えないピエロ役に甘んじている。ある日、人気道化師のセルヒオが、妻ナタリアを殴る現場に居合わせ、傷を負った彼女を介抱。二人は次第に魅かれ合うようになる。だが、セルヒオの暴力と嫉妬は激しくなり…。
「悲しきトランペットのバラード」という原題と、コンプレックスの強いピエロが主役、という設定から想像し、哀愁漂うドラマだと思っていたら…。
見事に予想が覆されて、あらまーびっくり!
監督がブラックなコメディを得意とするイグレシアということなので、ある程度のひねりは予想していたのだが、想像を超えた衝撃度。
気のいいハビエルが、どんどんエスカレートしていき、狂気のピエロへと変貌する様が恐ろしくて、心臓バクバクのバイオレンス・ムービーだった。
タランティーノが絶賛し、ベネチアでは銀獅子賞受賞、というのも頷けるし、かなり挑戦的な大作であることは、間違いないだが、ラブスト―リーを期待した女性には、かなりキツイ2時間になったはず。
でも、見終わったあとで、冷静に思い出し、想像力を働かせると、ハビエルの父親に対する感情に憧れ意外な複雑なものが見てとれたり、監督のフランコ政権時代に対する批判精神も感じたり…。
スペインの暴力の歴史を、イグレシア独特の世界観で描いた、実は意外に深いテーマが隠されている作品だと思う。
正直、もう1回見るのは勇気がいるのだが、すごい作品であることは間違いなし!

THE LAST CIRCUS /BALADA TRISTE DE TROMPETA
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督、カルロス・アレセス、アントニオ・デ・ラ・トーレ、カロリーナ・バング出演
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Posted on 2011/09/30 Fri. 16:28 [edit]

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プサン国際映画祭、東京国際映画祭から注目作品をピックアップ!  

10月6日から14日まで開催されるプサン国際映画祭。
ワールドシネマ部門で注目は、ヴィム・ヴェンダース監督の『PINA』。世界的舞踏家の故ピナ・バウシュの舞踏をたっぷり楽しめそう。なんと3D上映!
そしてミッドナイトパッション部門には、ブラジルの『TROPA de ELITE2』が登場!
日本より先に韓国に上陸してしまった…。
プサンに行かれる方、必見です!
&
プサンに行けない方もヴィム・ヴェンダース監督の『PINA』は東京国際映画祭で上映予定。
そしてそして、東京にはヘルツォークの3Dドキュメンタリー『ケイヴ・オブ・フォゴットゥン・ドリームス(原題)』もやってきます。
ヘルツォークといえば、来月22日から、横浜のジャック&ベティでヘルツォーク特集も開催されますよ~。アマゾンが舞台の『フィツカラルド』は必見!!

東京国際映画祭コンペ部門にはメキシコ発のロードムービー『螺旋盤は死者の手に La brujula la lleva el muerto』(監督:アルトゥーロ・ポンス)がエントリー。

『TROPA de ELITE2』が東京で上映されれば大満足なのですが…。
『TROPA de ELITE2』のレビューはこちら

Posted on 2011/09/28 Wed. 11:49 [edit]

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ラテンビート映画祭、『チコとリタ』レビュー  

☆若きジャズ・ピアニストのチコと、美しい歌姫リタ。キューバで生まれ育った恋人同士の二人は、いつか米国に渡りミュージシャンとして成功したい、という夢を持っていた。才能を認められたリタは、ニューヨークへと旅立ち、スターへの道を突き進む。やがてキューバと米国の関係が悪化。二人の行く手には様々な困難が立ちはだかる。
キューバとアメリカを自由に行き来し、アメリカンドリームを夢見ることもできた50年代に青春時代を送ったミュージシャン・カップルのピュアなラブ・ストーリー。
ハバナのマレコン通りや、23通りの映画館、ホテル・ナシオナル、ニューヨークのビレッジ・バンガードなど、旅で訪れたことのある風景がアニメで再現されていて、「また旅に出たいわ~」とサウダージ。
そしてそして、何よりも素晴らしいのが全編に流れる音楽。
ザッツ・ラテン!! なのだ。
ディジー・ガレスピーや、ナット・キング・コールも出てきて(アニメだけど)、その演奏がまたmuy bien!
中でも、チコがリタのために作った歌「リタ(リリー)」のメロディはとってもロマンチック。
時代に翻弄された二人のドラマチック過ぎる波乱の人生も、アニメなので嘘っぽく感じない。
こちらは『キューバの恋人』と違い、まったく革命臭のない娯楽作。
音楽監修とチコの演奏はキューバ音楽の重鎮ベボ・バルデス! 
ジャズ好きには超お勧めの逸品です。

チコとリタ CHICO & RITA  
フェルナンド・トゥルエバ、ハビエル・マリスカル監督

Posted on 2011/09/27 Tue. 01:17 [edit]

category: 映画賞・映画祭

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ラテンビート映画祭『キューバの恋人』レビュー  

☆1968年。革命から10年後のハバナに降り立ったノンポリの日本人青年アキラは、街で見かけたマルシアに心を奪われる。アキラは、彼女を追ってキューバを縦断。マルシアは、彼に惹かれながらも、革命軍の民兵として、従軍を決意する。
世界中の若者が熱くなっていた時代に作られた映画なので、革命賛歌的な思想のにおいは否めないが、60年代を知らない世代にとっては、そんな熱さ、一途さも新鮮に感じられた。
主演の津川氏が、初めて全編を見た、というのにも驚いたが、当時の日本の映画界というのは、共産主義的映画と、そうでない娯楽作との間に、今以上の隔たりがあったのかもしれない。
ストーリーはごくシンプル。追う男と追われる女の出会いと別れを描いているのだが、その背景で映し出されるドキュメンタリー映像が、とても興味深い。
演説に向かうトラックに乗りあう若者たちの高揚した顔、演説の天才カストロの話に聞き入る民衆、広場に集って祭りを楽しむ人々etc..、モノクロの画面からは彼らの熱気が時を超えて伝わってくる。
キューバを解放し、ヒーローとなったカストロは、50年を経て、キューバの人々にどう思われているのか、本当のところはわからない。
ただ、あの頃は、確かに民衆は彼を欲していたし、多くの抑圧から解放されたことを喜んでいた。
そんな「時代」や「歴史」をリアルに感じることのできる貴重な映画であることは間違いない。

キューバの恋人 
黒木和雄監督、津川雅彦、ジュリー・プラセンシア、フィデル・カストロ出演

Posted on 2011/09/26 Mon. 21:14 [edit]

category: 映画賞・映画祭

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[難民映画祭]でメキシコ映画『僕らのうちはどこ?-国境を目指す子供たち』を上映します!  

昨年のラテンビート映画祭で上映されたメキシコ映画『僕らのうちはどこ?』が、10月1日から始まる難民映画祭で上映されます!

難民映画祭オフィシャルサイト

Posted on 2011/09/26 Mon. 01:27 [edit]

category: 映画情報

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