CINEMA草紙

ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ等々、中南米カリブのラテン映画・音楽・カルチャーを紹介するニッチなブログです!

悲しみのミルク in 東京FILMEX  

有楽町で開催中の「東京フィルメックス」でベルリン映画祭金熊賞を受賞したラテン映画「悲しみのミルク」が上映されました。客足は今ひとつでしたが平日午前中なので、仕方ないですね^^;

☆ペルーの農村部で母と二人で暮らす若い娘ファウスタは、腹痛を訴え、病院に担ぎこまれる。叔父は、ファウスタの膣の中でジャガイモが育っていると知り驚く。ジャガイモの芽が出ているとゲリラが気味悪がってレイプしないという話をきいたというのだ。
まもなく母が亡くなり、ファウスタは埋葬する金を稼ぐため、音楽家の家でメイドとして働きはじめる。
ファウスタは、やさしい叔父、明るい従兄弟たち、ダンスや酒を楽しむ若者たちに囲まれて暮らしている。そこには、のどかな田舎の風景があり、人々が助け合って生きる姿は微笑ましい。一方で、病床にある母の悲鳴のような歌は、彼女が背負った悲惨な過去を物語っている。その歌を聞いて育ってきた娘は、青春を謳歌している若者たちのように人生を楽しめず引きこもっている。レイプされた過去を持つ女の母乳で育った子供にはそのトラウマが伝染する、と信じているのだ。

ペルーのゲリラ活動と聞いて思いだされるのは、日本大使館占拠事件。多くの日本人が長い間人質となったあの事件である。
当時のペルーについては、ほとんど情報が伝わってこなかったし、気にもしていなかったのだが、ゲリラによる女性レイプ事件は事実であろう。戦争で犠牲になるのはいつでも弱い立場の人間たちなのだ。
戦時中のレイプがトラウマとなった女性を描いた映画といえば「あなたになら言える秘密のこと」「サラエボの花」が思い出されるが、この映画も同じ路線である。
ただ、ヨーロッパとは違った村の風景や、アンデスならではの習慣が描かれているので、少し違った印象を持った。悲しみの癒し方や、台詞がストレートでなく、静かにゆっくり癒されていく感じ、とでもいおうか。
圧巻は、死にゆく母の歌、そしてそれを受け継いだ娘の歌である。
拭いきれない悲しみを含んだ乳を絞りだすかのような「哀歌」が、心にしみてきた。

「悲しみのミルク」は、28日(土)21:20~シネカノン、12月10日(木)16時~新宿バルト9でも上映されます。

悲しみのミルク La teta asustada (09・ペルー)
クラウディア・リョサ監督

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Posted on 2009/11/27 Fri. 13:00 [edit]

category: 映画賞・映画祭

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チェイサー、母なる証明ほか  

気まぐれCINEMAレビュー」に韓国映画のヒット作「チェイサー」「母なる証明」ほかのレビューをUPしました。

Posted on 2009/11/17 Tue. 18:33 [edit]

category: 映画レビュー

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SOUL RED 松田優作  

縁があって、かつて4年間住んでいた家に、今、移り住んでいる。
この家に住んでいたのはもう何年も前のことで、頭の隅に追いやられた記憶も多い。なぜここに住むようになったのかさえ忘れていたぐらいである。
でも、住み始めると少しずつ記憶が戻ってきた。
昔、流行っていたTVドラマ、好きだった音楽、自分が抱いていた夢。
そして、かつて出会った人々etc...。
そんなこの家で過ごした4年間の思い出の一つに「松田優作」もいる。
彼の死を知ったのは、朝のニュースだった。
いつものようにバタバタと朝支度をしていたとき、テレビを見ていた友人が「松田優作が死んだって」と、私に伝えてきた。
優作にとくに思い入れのない友人は、ただ、テレビで流れたニュースを情報として私に伝えただけだったが、私は「何いってんの?死ぬわけないじゃない。別人だよっ」と、腹を立て、すぐには信じることができなかった。
それほどまでに彼の死は衝撃だった。
ちょうど「ブラック・レイン」で優作の狂気の演技を見たばかりで、まだ、その感動と興奮の最中にあったのだから…。
 死の直後は、優作の特集雑誌を買いあさり、記事を切り抜き、スクラップにした記憶がある。
 そして20年。あの衝撃を味わった家に戻った今、優作のドキュメンタリーが公開されたのである。
 正直、もうあの頃の情熱は残っていないし、優作の映画やドラマも私にとってはすっかり過去のものであった。でも、映画のスクリーンに映し出された優作の姿を見、声を聞いた途端、すぐに20年前、30年前の自分に戻ることができた。
 夢中になったTVドラマ「探偵物語」の製作の際、「テレビではハードボイルドは受けない。ユーモアがないとだめだ」と、優作がいったという話、「ア・ホーマンス」で監督をすることになったいきさつ、「役者にとって、走る姿、ピストルを構える姿がかっこいいっていうのは大事だよ」と後輩の役者に話したことなどなど、すべての言動に「優作らしいな」と感じ、「やっぱり最高」と、ファンだったあの頃の気持ちに戻って無我夢中で画面に見入ってしまった。
 優作と一緒に仕事をしてきたスタッフの話も興味深かったが、香川照之、仲村トオル、浅野忠信、3人の俳優が優作を敬愛し、彼について熱く語る様子がもっとも印象的で、優作ファン同士の絆を勝手に感じて、ほくそ笑んでしまった。
 どうしてもファンの目線になってしまい、映画に対して客観的判断はできないのだが、おそらく優作を知らない若者でも、スクリーンの中の優作の姿、言動に少なからずインスパイアーされるはずだ。草食系なんて言われてることに少しでも抵抗がある人なら、優作の魅力にきっと気づいてくれるだろう。スクリーンの中の優作は、いつまでも色あせることなくセクシーで、ワイルドで、理知的で、やさしくて、映画に対する情熱でムンムンしている。
家宝にしたいドキュメンタリーを作ってくれたスタッフ&優作ファミリーに「ありがとう」と言いたい。

SOUL RED 松田優作
御法川修監督、松田優作、浅野忠信、香川照之、仲村トオル、松田龍平、松田翔太ほか出演

Posted on 2009/11/16 Mon. 19:11 [edit]

category: 映画レビュー

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「パチャママの贈りもの」日本公開!  

昨年のサンパウロ国際映画祭に出品されていたボリビア映画「パチャママの贈りもの」が日本で公開されます!
12月19日~渋谷ユーロスペース、横浜ジャック&ベティほか全国で随時公開予定。

ボリビアのウユニ塩湖や炭鉱で暮らす人々の姿を、純粋な少年の視点で見つめたハート・ウォーミング・ストーリーで、青くて広い空、真っ白な塩湖など、日本では見ることのできないボリビアの広大な自然、そして、少年少女たちの純真無垢な瞳が印象に残る映画です。
監督はボリビアに魅せられた一人の日本人。監督のボリビアへの深い愛が詰まった作品です。

公式サイト

Posted on 2009/11/12 Thu. 13:07 [edit]

category: ラテン映画

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国際映画祭アレやコレや  

毎年楽しみにしていたサンパウロ恒例の国際映画祭が今年も開催されました。
ラインナップは、
クストリッツア監督の「マラドーナ」(日本では12月公開)、
オダギリジョーが日系ブラジル人を演じた「プラスティック・シティ」、
ジョン・ウー監督「レッドクリフ」、
パク・チャヌク監督期待の新作「Thirst」、
ヘルツォーク監督がリメイクに挑戦した「BAD LIEUTENANT」などなど。

東京フィルメックスのクロージング作品に選ばれている「Thirst」はほぼ日本と同時期のお披露目になりますが、一般的にアジア映画は日本、欧米&南米映画はサンパウロのほうが早いようです。
今年の東京フィルメックスで上映される「フローズン・リバー」(09年アカデミーで主演女優賞ノミネート)は、昨年のサンパウロで上映されていましたし。
ヘルツォーク監督はブラジルではマニアに人気があるので「BAD LIEUTENANT」のブラジル公開はほぼ確実でしょうが、日本はどうなるのでしょう?
主演はハリウッド俳優ニコラス・ケイジなんですけどね~。
ぜひぜひ公開に一票!

Posted on 2009/11/09 Mon. 10:29 [edit]

category: 映画賞・映画祭

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