CINEMA草紙

ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ等々、中南米カリブのラテン映画・音楽・カルチャーを紹介するニッチなブログです!

ベン・ハーパー in Festival About Us  

9月28日、サンパウロ市の町外れにある競馬場[Chacara do Jockey]で行われた野外ロック・フェス「Festival About Us」に参加してきた。
日本では、夏の野外フェスは常連だったが、ここブラジルでは初参加。
あいにくずっと寒い日が続いており、当日も朝から曇り空。時折雨もぱらついている。
今回のお目当てである Ben Harper の登場は夜、ということで、防寒着と雨合羽、そしてホッカイロもバッグに詰めた。用意周到さすがは日本人!と自我自賛。

ブラジル人の若い友人にくっついて、2時半頃コンソラソンからローカルバスに乗り、3時過ぎに現地到着。
フェスは12時からだったがここはブラジル。最初から来ている人はごくわずかだ。
会場は緑に囲まれ、のどかでいい雰囲気。ちょっとしたピクニック気分を味わえる。
今日のフェスは、環境保護を訴えるイベントでもあるので、緑豊かなジョッキーは最適だ。

メイン会場では、すでにSeu Jorgeのショーが始まっていた。
私達はスペースに余裕のある後ろのほうで、ダンスしながらSeu JorgeのSHOWを楽しむ。彼の渋い声と独特のリズム感が心地よい。
隣にいた若いグループは輪になって歌いながらダンス、ダンス。
手にはもちろん“ビール”である。
この自由でゆるーい雰囲気は、フェスならでは。
入場料が高い(一般140レアル=8400円)ということもあり、客層は小奇麗な白人の若者が多い。
セウ・ジョルジはたーっぷり歌ってくれ大満足。厚い雲の間からは、青空も見え始めた。最高に、“キモちEー!”(by 忌野清志郎殿。フェス復活祈ってます!!)

続いての登場は、MPB界の歌姫Vanessa da Matav1

ステキなドレスをまとい、軽やかに歌う姿は、今日のフェスの雰囲気にぴったりだ。
彼女の歌は、みんなが知っているようで、一緒に口ずさんでいる。
ブラジル人の観客って、ほんとによく歌詞を覚えてるなあ、と、いつも感心させられる。
歌詞カードみながら、練習するタイプにはどうみても思えないし…。
みんな、歌とリズムを自然と体に取り込める体質なのかもしれません。
vanessa2.jpg
空が夕焼けに染まった頃、ヴァネッサのSHOWが終了。
ちょっと座って休憩していると…。
見る見るうちに、人がアメーバーのように増殖し始めている。
やばっ!こんな後ろにいたら、お目当てのベン様が見えない!
と、危機感を持ったときには、すでに遅し…。
あっという間に人に囲まれ、身動きがとれない。
せっかく持ってきた防寒着も不要なぐらい、ギュウギュウのスシ詰め状態だ。
背の高い若者たちの合間から、ステージを覗き見、なんとか憧れのBen Harperの生のお姿を拝む。
幸い大きなスクリーンがあったので、顔の表情や、ギターを弾く指裁きもスクリーンでしっかりと確認。
ほれぼれするわ~。
ベン・ハーパーは、デビュー当時からファンなので、たとえ豆粒にしか見えなくても、生ライブに来れただけで大満足である。
b2

ラフなシャツ姿のベンは、新譜からの曲はもちろん、古いアルバムの曲まで披露。
ジミヘンばりのギターテクも見せてくれ、彼のサウンドにしばし酔いしれ…。

ところが、せっかくベンが歌っているのに、満員電車の中のような会場は、ビールを持った若者が人の迷惑顧みずに出入りするので、集中できない。
後から来たんだから、後ろで我慢しろよ!
ビールばかり飲んでんじゃなーいっ!
まったく、みんな自分勝手なんだから!
などなど、ちょっとイライラさせられる。
でも、まあ、今日はフェスですし、みんなお酒も入ってるし、若いですし、仕方ないか。
「郷に入れば…」です。
SHOWの最後には、ヴァネッサが再び登場し、ブラジルで大ヒットした競作「Boa Sorte」を披露。
観客のみんなもフル・コーラスで歌えるのがウラヤマシイ。
ベン・ハーパーの来ブラジルは3回目らしいが、知名度&人気は、おそらく日本よりもはるかに上だろう。

大盛り上がりのベンのライブはあっという間に終了。
トリは、Dave Matthews だったが、お目当てのベンが見れたので、私の初フェスはここでお終い。

こんなに大勢集まるなら専用バス出せば儲かるのに、などと余計な世話を焼きながら、ローカルバスに揺られて帰途に着く。

ブラジルの野外フェスは、観客の自由度がケタはずれで、スタッフまでもがほろ酔い気分。
用意周到で規則を守る日本人と、楽しめればOKのブラジル人の違いを肌で感じた1日でした。

フェスの公式ページはこちら
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Posted on 2008/09/30 Tue. 10:00 [edit]

category: 音楽

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ブラインドネス  

☆☆多国籍映画「ブラインドネス」が日本より一足はやくブラジルで公開された。ブラジル映画界の出世頭メイレレス監督の新作というだけあって、ここサンパウロでも平日というのに映画館はほぼ満席。映画の冒頭、伊勢谷の日本語の台詞に、観客からは小さなどよめきが…。

☆大都会の雑踏で、車を運転中の日本人男性が、突然、目の異変を訴えた。「何も見えない」と、取り乱す男は、なんとか家までたどり着き、日本人の妻に連れられて眼科医の元へ。
だが、原因は不明のままだ。まもなく男を診察した医者、同じ病院に居合わせた患者達などが、次々と視力を失っていく。
この謎の感染症に世界はパニック状態となり、患者達は監獄のような収容所へ送られる。
唯一、視力を失わない眼科医の妻は、収容者の世話に追われる。
やがて、銃を持ったバーテンが収容所を支配するようになり…。

原因不明の感染症に襲われた人間達の不安感と、劣悪な収容所での極限状態の生活を生々しく描いている。
時代も都市もはっきりと示されず、出てくる人々も多国籍。
だが、撮影の多くがサンパウロで行われ、見憶えがある場所ということで、なんだか他人事とは思えない現実味があった。
感染症患者の収容所は、管理者の誰もいない監獄のようで、垂れ流し状態。汚物の匂いが画面を通して漂ってきそうな勢いである。
食物の配給が停止したあとは、銃を持った男が、人々の金品を奪い、女たちに売春を強要するようになる。このあたりの極限状態の様子は「漂流教室」(漫画)を思い出した。
さすがは名作「シティ・オブ・ゴッド」を生んだメイレレス監督だ。劣悪な環境、無法地帯の描き方が秀逸だ。
ただし、人々のキャラはいま一つ魅力に欠けた感あり。老語り手(ダニー・グローバー)や、極悪人(GGベルナル)にもっとスポットを当てる、とかすれば、もっと楽しめたかも。
日本人夫婦(伊勢谷・木村)も演技が不自然で浮き気味だったし…(私が日本語がわかってしまうので仕方ないが)。
パニック映画なのか人間ドラマなのか曖昧な感じで評価し難いが、それでも、映画館を出る直前「もし、街中の人々が失明して、無法地帯になっていたら?」などと想像して、ちょっとだけ緊張した。

大都市サンパウロは、映画で映し出されたように、灰色の高層ビルと道路だらけのコンクリート・ジャングルである。一方で、ラストシーンに使われた美しい景観も併せ持っている。
殺伐とした街サンパウロの一角にある緑豊かな高級住宅街を横目に、私は、引ったくりに注意しながら、徒歩で移動する日々を送っている。

ブラインドネス
フェルナンド・メイレレス監督、ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、ガエル・ガルシア・ベルナル、ダニー・グローヴァー、アリス・ブラガ、木村佳乃、伊勢谷友介出演

Posted on 2008/09/28 Sun. 05:33 [edit]

category: 映画レビュー

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リオ映画祭2008の日本映画は…  

今日から始まったリオ映画祭、今年は日系移民100周年、ということで、「~ポニョ」「アキレス~」はじめ、三池監督の「スキヤキ~」などなど、日本映画も数多く上映されます。
詳細はこちら

Posted on 2008/09/25 Thu. 23:58 [edit]

category: 映画賞・映画祭

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CINEMAレビュー更新のお知らせ  

日本で休暇中、見貯めしてきた映画のワンポイント・レビューをアップしました。
「ラスト、コーション」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「ノー・カントリー」「サラエボの花」「イカとクジラ」「王妃の紋章」「ファースト・フード・ネイション」「ハリウッドランド」「酔いどれ詩人になるまえに」などなど。
若干、書きなぐり感はありますが、ご容赦ください。
レビューはこちら

Posted on 2008/09/22 Mon. 05:41 [edit]

category: 映画レビュー

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リオ映画祭2008 (1)  

2000年にリオで起こったバスハイジャック事件をベースにした映画「Ultima Parada 174」(ブルーノ・バレット監督)が、9月25日から開催されるリオ・フェスティバルで上映される予定です。
この映画はアカデミー賞の外国語映画部門・ブラジル代表作にも選ばれました。
バスジャック事件のドキュメンタリー映画「バス174」は、日本でも見ることができます。
必見!(監督は、昨年ブラジルで大ヒットし、ベルリン国際映画祭で大賞を受賞した「Tropa de elite」の監督ジョゼ・パジーリャJose Padilhaです)

Posted on 2008/09/19 Fri. 09:01 [edit]

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