CINEMA草紙

ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ等々、中南米カリブのラテン映画・音楽・カルチャーを紹介するニッチなブログです!

プレステージ  

☆舞台は19世紀末のロンドン。若きマジシャン、アンジャーとボーデンは、同じ師匠のもと、切磋琢磨しながら、技を磨き合っていた。
ある日、アシスタントをつとめていたアンジャーの妻が、水中縄抜けに失敗し、命を落とす。アンジャーはボーデンの縄の結び方に疑惑を抱き、二人は決別する。
以降、二人は、お互いのマジック会場に忍び込み、復讐合戦をはじめる。

(以下、若干、ネタバレあり)
「決してラストは話さないで下さい」で、はじまるトリック映画。
どんな大ドンデン返しがまっているのか、と思いきや…。
二人が袂をわかち、お互いの技を盗みあうやりとりは、とても面白くて、よくできた映画だとは思うのだが、騙し合いも延々見せられると、なんだかとてもいやーな気分になってくるもの。
単純に、技の巧妙さだけを見て楽しむ、と割り切ればいいのだろうが、自分はそういう映画の見方ができないほうなので、いろいろと、二人の心理状態を深読みしてしまった。
結果、思ったことは、ボーデンという男には、まったく人間的な心が見つからなかった、ということ。誰が本物のボーデンなのかも定かではないし。。
いったい彼は何者? 実はボーデンは本物の人間じゃないのかも?
(いろいろと深読みすると、ますますわからなくなりそうなので、このへんでやめておきます)
「ラストは話さないで」と、うたっているいるわりには、伏線があって十分想像できる展開。
面白い映画ではあるけれど、好きな映画ではない、というのが率直な感想だ。

最後にもう一言:エンドロールが流れるまで、デヴィッド・ボウイが何役だったのかまったくわからず。私にとっては、これが、もっとも驚きのエンディングでした^^;

プレステージ THE PRESTIGE
クリストファー・ノーラン監督、ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、スカーレット・ヨハンソン、デヴィッド・ボウイ出演
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Posted on 2007/06/30 Sat. 22:49 [edit]

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あるスキャンダルの覚え書き  

☆☆この映画、若い生徒と教師のスキャンダルを赤裸々に描いたラブ・サスペンス、ではありません。ハイミス女の情念を執拗に描いた心理ドラマです。
ジュディ・デンチが、期待を上回る迫真の演技!ケイトも頑張ってはいますが、役柄的に、ピュアな女性の役なので、あくまで脇。
女と女の映画ではありますが、男性陣にもオススメです。これが女のホントの姿…。

☆イギリスの公立中学に金髪の美術教師シーバが赴任した。退職間近の老教師バーバラは、奔放で危ういシーバを観察し、日記に記していく。
 生徒の喧嘩を止められずにいたシーバをバーバラが助けたことから、二人は急接近。シーバはバーバラを家に招待する。
 そして、ある日、バーバラは、シーバが生徒と密会している現場を目撃してしまう。

 厳格な教育者として長年一人で生きてきた孤独な女と、開放的で人を疑うことを知らず、誰かにいつも助けられて生きてきた美しい女が接近する…。二人の関係には「バーバラがレズだから」と、一言では片付けられない、必然的な出会いを感じた。
 鉄の鎧をまとった孤独な女バーバラは、自分とは正反対の女性に、嫌悪感と魅力を感じ、彼女と仲良くなりたい、と思う反面、彼女の人生をめちゃくちゃにしてやりたい、という衝動も抱く。つまり、魅力的だが許せない存在でもあるのだ。
彼女が“自分だけ”に秘密を打ち明けてくれたときには、「私だけのものになった」と、日記につづり、高揚感に浸る。
ところが、彼女が、いざというときに自分より家族を選んだことにより、「私だけのもの」ではなかったことを思い知らされる。
そして、彼女を慕う気持ちの裏に隠された嫌悪感が、バーバラの頭を支配するようになるのだ。

友人にも、シーバのような女性が何人かいるが、自分はどちらかというとバーバラに近いタイプなので、ついバーバラに感情移入してしまった。
(あそこまで過激ではありませんが^^;)
開放的な女性には、自分以外にも親しい友人が大勢いる。そう頭では理解していても、感情的には「旅行にも一緒に行った仲だし、きっと私は特別な存在のはず」と、思い込んでしまいがちだ。
だから、大勢集まるパーティーなどで、友人が、壁の花の私を放ってどこかへ消えてしまったりすると、なんだか裏切られた気になり、彼女の奔放さを攻撃したくなってしまう。
おそらく、こういった小さな気持ちの揺れは、誰にでも経験があるだろうし、人間関係において避けては通れない永遠のテーマでもある。
裏切られた、と感情的になった後、冷静になれず、さらには相手に対する執着が度を過ぎると、バーバラのような行動に走ったり、ストーカーになっていくのだろう。

友人や同僚に対して、小さな不満を抱いたとき、今はまだ、「よくあること」「相手にとっては自分だけが特別な存在ではないのだ」と、頭を冷やして考えられるが、これから先はわからない。
激高してバーバラのような行動に走る自分の姿を想像して、少し恐ろしくなった。

人間は孤独感をどう克服すべきなのか。とても難しい問題ではあるが、バーバラのような老人はこれから増えていくのかもしれないなあ。

あるスキャンダルの覚え書き NOTES ON A SCANDAL
リチャード・エアー監督、ジュディ・デンチ、ケイト・ブランシェット、ビル・ナイ リチャード・ハート出演

Posted on 2007/06/23 Sat. 19:45 [edit]

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ゾディアック  

☆☆ある一つの連続殺人事件を、人生をかけて追った4人の男の心理ドラマ。
韓国映画の傑作「殺人の追憶」にゾクゾク感を覚え、かつ根気のある人は必見!
逆に、D・フィンチャー作品「セブン」「ゲーム」のファンは、期待しすぎるとしっぺ返しを食らうかも?
☆1969年、カリフォルニアで若いカップルが銃撃される事件が起こった。まもなく犯人と名乗る男が、警察に自らの反抗を告白。男は自分を「ゾディアック」と名乗り、マスコミや警察に、暗号文と手紙を送りつける。
新聞社の風刺漫画家グレイミスは、ゾディアックの暗号に興味を示し、事件を追う記者エイブリーとともに、ゾディアック探しに夢中になる。
一方、担当刑事トースキーとアームストロングは、ある一人の容疑者リーを喚問。直感で犯人とにらむが、筆跡鑑定でシロと出てしまう。
警察とマスコミをあざ笑うかのように、連続殺人を繰り返すゾディアック。暗号、手紙、タレコミ…。状況証拠はたくさんあるかに見えたが、真犯人にはどうしてもたどり着けない。
やがて、担当記者エイブリーは、ゾディアック事件にのめり込みすぎ、何かに取り付かれたかのように怯え、そしてアルコールで身を持ち崩す。
その後、担当刑事トースキーとアームストロングも、ゾディアック事件への執着で心身ともに疲れ果て、担当を外れることに。
長い年月が過ぎ、事件が風化してしまったかのように思えたある日、再びゾディアックが動き出す。最後に残ったのは、漫画家のグレイミス。彼は、妻から見放されながらも、ゾディアック事件にのめり込み、事件の謎に迫る本を出版する。

担当記者、刑事、漫画家。4人の人物が、ゾディアック事件に執着し、事件の解明にのめり込むうち、人生を狂わせていく様子が、執拗かつ丁寧に描かれている。
はじめは、フィンチャー監督の出世作「セブン」に似てるな、などと冷ややかに見ていたのだが、エイブリーが身を持ち崩すあたりから、なぜか身体がゾクゾクするぐらい、気持ちが高ぶり、その面白さにはまってしまった。
ゾディアック事件は実話で、未解決であることがわかっていても、謎解きをせずにいられない。ゾディアックという幻のような犯人に取り付かれた男たちと一緒になって、苦しみながら、あれこれ考えずにいられなくなってしまったのである。

おそらく、この映画は、まったく受け付けない人も多いだろう。
何だかさっぱりわかんない、とギブアップした人もいたはずだ。
それこそがフィンチャー監督の狙い。迷宮の中、出口を見つけようともがき苦しむ4人と一緒に、観客が頭をかきむしる姿を想像して、監督は、ほくそ笑んでいたに違いないのだ。
「さっぱりわからん」と、出口探しを諦めてしまった人にとって、この映画は苦痛の2時間半となる。
一方、出口探しを最後まで根気よく続けられた人は、結果的に出口が見つからなかったとしても、4人と苦悩を共有できたことで、何かしらの満足感を得ることができるのだ。

正直、今まで、フィンチャー監督の映画は、あまり好みではなかった。「セブン」「ゲーム」は、評価されているものの、あっと驚かせすぎるエンディングに私は嫌悪感を覚えた。
だが、この「ゾディアック」に関しては、フィンチャー監督、やっぱりすごい、アッパレ!と、白旗あげずにはいられない。
怪しげな雰囲気、じっとり汗ばむような重さ、そして、追う側と追われる側の人生をかけた長期に渡る心理戦…。
ゲーム感覚で事件が解決してしまうエンターテイメント作品と違い、実際の事件を扱っているだけに、真実のゾディアック事件はどうだったのかを知りたくなる。
実際の未解決事件というのは、こうやって何人もの人間が関わり、苦しんだ末に、迷宮入りしていくものなのかもしれない。
エンドロールが終わり「あー、疲れた」と、腰を上げたとき、面白かったと思えるか、もしくは苦痛だったと感じるか。
評価ははっきり二つに分かれるだろう。でも、フィンチャー監督の魂がこもった渾身の一作であることは間違いない。

最後にもう一言:
元アル中、ダウニーJr.の落ちぶれた姿は、さすがにリアル。
役作りのせいか、少しぽっちゃりしたマーク・ラファロにご執心のため、担当刑事トースキー編が、もっとも楽しめた。相棒刑事が「ER」のグリーン先生だったとはまったく気づかず。メガネないし、髪があるんだもの…。
この事件、連続ドラマにしても面白そうだが、アメリカではもうドラマ化されてるの? 

ゾディアック ZODIAC ★★★
デヴィッド・フィンチャー監督、ジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、ロバート・ダウニー・Jr.、アンソニー・エドワーズ出演

Posted on 2007/06/21 Thu. 19:28 [edit]

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何やら慌しく…  

諸事情により、慌しくすごしており、このブログもほったらかし状態。。。
久しぶりに更新しようとあけてみたら、
15日に、何者かからの大量の迷惑コメントが…。
何で急に??
しばらく悩まされそうで憂鬱です。。。
しかし、何の得があるのでしょうか。

地道に消していけば止むのかなあ。

Posted on 2007/06/16 Sat. 12:41 [edit]

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ボラット  

☆カ~ザフスタンからやって来た~オオボケ野郎ボラットが、おバカやりながら、アメリカを横断するナンセンス・コメディ。
終始おふざけ、差別用語だらけ、お下品極まりない!
でも、ボラット、実はインテリ?って思わせるあたりは、モンティ・パイソンに似てなくもない。
と、思っていたら、彼はイギリス人らしい。納得!
ユダヤ人に対する差別用語だらけだけど大丈夫なの?と心配してたら、サシャはユダヤ人なんだって~。なるほどねえ。
自虐ネタ、とでもいうのでしょうか。

偏見だらけの人間の本質を、鋭くというか、ひたすらオバカに描いていたのがケッサクだった。
昨年のGG賞でも話題になっていた「ボラット」だが、こういう映画は、シーンと静まりかえった映画館で見るのはちょっときつい。
気の置けない友人たちと一緒に、酔っ払った状態で見ると、かなり楽しめると思います。
ユダヤ人ネタや下ネタよりも、マナー教室で失言しまくるボラットや、酔っ払い学生と意気投合するボラットが、一番、楽しめたかな。
自分はやっぱりベタな笑いが好きなんだ、と再確認したのでありました。
この流れで、マッチャンの「大日本人」と武の「監督・ばんざい」も見にいってみようかしら。東西、お笑い対決! 

ボラット
ラリー・チャールズ監督、サシャ・バロン・コーエン、ケン・ダヴィティアン出演

Posted on 2007/06/08 Fri. 00:51 [edit]

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